9月17日ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開
男の子→女の子へ…
10代の終わりに決心した危険な手術。
女の子に生まれ変わった少年の過去と現在をインタビュー&ドラマで構成した、
笑って泣ける型破りなドキュメンタリー
今や新聞やテレビをはじめ、ネットニュース等あらゆるメディアで話題となり耳にする機会が増えた「LGBT」の世界。「LGBT」とは、性的少数者(セクシュアルマイノリティ)の一部を指し、「レズビアン(女性同性愛者)」「ゲイ(男性同性愛者)」「バイセクシュアル(両性愛者)」「トランスジェンダ―(心と体の性が一致しない人)」の頭文字を組み合わせた言葉だ。日本でも、2015年に一部エリアで同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める「同性パートナーシップ条例」が可決され、話題になったことが記憶に新しい。認知はされつつあるが、一部差別や偏見は根強く、周囲の十分な理解やサポートがまだまだ必要であることもまた現状だ。
本作は男として生まれた真境名ナツキ(本名:真境名薫)が、思春期に“性の壁”をも越えて女に生まれ変わり、いかにしてコンプレックスを豊かな個性に変え“本当の自分”を勝ち取ったのか― リアルなインタビューパートと、取材に基づいた少年時代のドラマパートを交互に見せながら現在と過去を描く。誰もが笑って泣ける型破りな新しいタイプのドキュメンタリー&ドラマがここに誕生した。
ナツキは少年の頃からピンクの物が大好きで、クリスマスにサンタさんにお願いしたいプレゼントも本当はセーラームーンのおもちゃだった。小学校に入学するときには真っ黒なランドセルに違和感を覚え、中学時代は女子の制服を着たくても理解されない日々が続いた。そこには体の性が心と一致しない障害(=性同一性障害)が立ちはだかっていた。周囲はナツキが感じている以上に違和感を抱いていたが、彼女は自分の意思を曲げなかった。担任教師と衝突し、母親と一緒に校長先生に直訴してまで勝ち取った悲願のスカート登校。「男なのに」という他人の視線も気にすることなく、“性同一性障害”という障害を乗り越えてアイデンティティを守ろうとしたナツキに、きっと、あらゆる性別・世代の人々が強い共感を覚えるはずだ。
さらには幼少の頃からナツキの一番の理解者だった母親役に西尾まり、高校時代の教師役に藤田朋子と実力派俳優たちが脇を固めている。
その瞬間は小学校に入学する時に訪れる。真っ黒なランドセルをプレゼントされた時、愕然とした。説明のできないモヤッとした違和感が残る。女子の制服を着たくても先生にすら理解してもらえない抑圧された中学時代から一転、女子バレー部キャプテンとして活躍する劇的な高校生活。
家族の優しさに支えられ、なりたい自分へ近づくために七転八倒。思春期に様々な障害を乗り越えてきた彼女は、コンプレックスをいかにして自分らしさに変えたのか?より美しくなるためにどう生まれ変わってきたのか?10代の終わりに決心した難しい手術は本来の自分を勝ち取るための、まだほんの始まりにすぎなかった―